稲垣さんはホット珈琲、私はホットティーを頼んだ。


私の紅茶はポットで来た。


蒸らそうと思って直ぐには淹れずに置いておいたら稲垣さんがポットを手に取って淹れてくれた。


ジョボーーーーー。


あぁ、バファリンより優しいな、稲垣さん。


私(あ、まだ蒸らしてたのに淹れちゃった…)


私「あ、ありがとう…」

この人、要らんことして彼女に怒られるタイプなんだろうなぁと思った。




初詣どうしようか〜という雰囲気だったけど結局、そこでも詳細は決まらず電車の時間近づいたので喫茶店を出る事にした。


私は宣言通り、ここは支払わなかった。


喫茶店を出る際、ごちそうさま、ありがとう。と御礼はしっかり言った。


喫茶店から出て駅はすぐ目の前だった。

喫茶店から駅まで一瞬の距離だったけど私は何かを察した。
稲垣さんの様子がおかしかった。
怒っているのか、なんなのか分からなかったけど喫茶店のお会計が引き金なったのは確かだった。

改札の別れ際


稲垣さん
「じゃぁ、気を付けてね。」と口では言っていたものの私の目を見ていなかった。


私も
「ありがとう、じゃぁ…」と言いながら稲垣さんには手を振った。



手を振っていたのに


稲垣さんは見向きもせず、とっくに背を向けられていた。


「え…。」


たかだか、お茶1杯の支払いでこの豹変っぷりに絶句してしまった。

私は、元旦の飲み代ほぼ半分出したしそのあと、駅まで歩く時寒くてコンビニで暖かいお茶と珈琲買うのもササッとPayPayで支払ったし最寄り着いてからのスタバも全部払った。
その上、映画のお釣りも黙って捧げた。


さっきまでバファリンのように優しかった人が何故。


とりあえず私の右手は行き場を失ってしまった。


この右手…どうしてくれよう。



私は静かに右手を降して改札を抜けて電車に乗った。



このあたりから稲垣さんが不可解すぎてなにあの人、怖。という感情を抱き出した。

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